災害時も安心!スマホで家族と確実につながる安否確認SNS・災害伝言板の事前設定と活用術
導入:災害時の「つながり」を守るための事前準備
大規模な災害が発生した際、私たちの生活に欠かせないスマートフォンは、家族や大切な人の安否を確認するための重要なツールとなります。しかし、いざという時に「どうすればいいのか分からない」「設定が複雑で戸惑う」といった状況に陥ることは少なくありません。
この記事では、主要なSNS(X, Instagram, Facebook, LINE)や災害伝言板「Web171」を活用し、災害時に家族の安否をスムーズに確認するための具体的な事前設定と利用手順を解説します。事前に準備を行うことで、漠然とした不安を解消し、緊急時に冷静かつ迅速に行動できるようになります。
共通の事前準備:災害時における安否確認の基盤を築く
個別のSNS機能の前に、災害時における連絡手段の基盤を築くための共通の準備が不可欠です。
1. 家族間での安否確認ルールの共有
- 集合場所の決定: 自宅や職場が被災した場合に備え、事前に家族で集合場所を決めておきましょう。二次避難場所も想定しておくと安心です。
- 連絡手段の優先順位設定: 電話回線が混雑する可能性があるため、SNSのメッセージ機能、災害伝言板、公衆電話など、複数の連絡手段とその優先順位を決めておきましょう。
- メッセージ内容の統一: 「無事です」「〇〇にいます」など、簡潔かつ状況が伝わるメッセージをあらかじめ決めておくと、迅速な情報共有が可能です。
2. スマートフォンの連絡先整理と充電対策
- 緊急連絡先の登録: 家族、親戚、職場の緊急連絡先をスマートフォンに登録し、グループ化しておくと便利です。
- 充電環境の確保: モバイルバッテリーの準備、車載充電器の確認、充電ケーブルの予備など、電源が確保できない状況に備えましょう。
各SNSを活用した安否確認と事前設定
日頃から使い慣れているSNSは、災害時においても強力な安否確認ツールとなります。それぞれの特性を理解し、適切に設定しておくことが重要です。
1. X(旧Twitter):リアルタイムな情報収集と安否発信
Xは、災害発生時に最も情報が拡散されやすいプラットフォームの一つです。
- 情報収集と発信:
- 「#(地域名)#災害」「#安否確認」「#無事です」などのハッシュタグを検索し、リアルタイムな情報を得たり、自身の安否を発信したりできます。
- 信頼できる政府機関、自治体、報道機関のアカウントをフォローし、通知をオンに設定しておきましょう。
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ダイレクトメッセージ(DM)の活用:
- 電話回線が不通の場合でも、DMで個別に連絡を取り合える可能性があります。
- 家族や友人とは事前にXのアカウントを交換し、相互フォローしておくことを推奨します。
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事前設定のポイント:
- 通知設定: 災害情報を発信するアカウントからの通知が届くよう設定を確認します。「設定とプライバシー」→「通知」から調整が可能です。
- プライバシー設定: DMの受信設定(誰からでも受け取るか、フォローしている人からのみかなど)を確認しておきましょう。
2. LINE:身近なグループでの確実な連絡
LINEは、家族や友人の間で広く使われており、閉鎖的なコミュニティでの連絡に適しています。
- 安否確認メッセージ機能:
- 災害時、LINEアプリ内に「災害用安否確認」といった専用タブが表示されることがあります。ここから自身の安否状況を登録し、友人に共有できます。
- 利用手順:
- 災害発生時、LINEアプリを開き、画面上部などに表示される「災害用安否確認」のバナーをタップします。
- 「無事です」や「被害あり」などのステータスを選択し、状況をテキストで追加します。
- 登録した情報は、LINEの友人に共有され、友人はあなたの安否を確認できるようになります。
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グループチャットの活用:
- 家族や親しい友人とのLINEグループを作成し、災害時の連絡用として活用するルールを決めておきましょう。
- 画像や位置情報も共有できるため、具体的な状況伝達に役立ちます。
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事前設定のポイント:
- 友だち登録の確認: 連絡を取りたい相手が確実に友だち登録されているか確認しましょう。
- 通知設定: LINEからの通知が適切に届くよう、スマートフォンの設定とLINEアプリ内の通知設定を確認します。
3. Facebook:Safety Check(災害時情報センター)での安否確認
Facebookは、世界的に利用者が多く、災害時の安否確認機能「Safety Check(災害時情報センター)」を提供しています。
- Safety Checkの利用:
- 災害が発生し、Facebookがその地域の情報に基づいて機能を有効化した場合、アプリやウェブサイトに通知が表示されます。
- 利用手順:
- Facebookアプリまたはウェブサイトで、災害に関連する通知を受け取った場合、それをタップまたはクリックします。
- 「無事である」または「被害を受けている」などの状況を選択します。
- 任意でコメントを追加し、自身の状況を友人や家族に知らせることができます。
- 友人が安否登録をすると、タイムラインや通知でその情報が確認できます。
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メッセンジャーの活用:
- Facebookメッセンジャーは、個別またはグループでのメッセージ送受信が可能です。
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事前設定のポイント:
- 友達登録の徹底: Facebookで連絡を取りたい家族や友人と「友達」の関係になっていることを確認します。
- 通知設定: 災害時情報センターに関する通知が届くよう、Facebookアプリの通知設定を確認しておきましょう。
4. Instagram:ストーリーズやDMでの状況共有
InstagramにはXやFacebookのような直接的な安否確認機能はありませんが、視覚的な情報共有と個別連絡に役立ちます。
- ストーリーズの活用:
- 自身の状況を写真や動画で共有し、文字情報と合わせて視覚的に伝えることができます。「無事です」「〇〇に避難中」といったテキストを添えることも可能です。
- 公開範囲を「親しい友達」に設定することで、特定の友人・家族にのみ情報を共有することもできます。
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ダイレクトメッセージ(DM)の活用:
- 個別の安否確認や詳細な情報共有に利用できます。
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事前設定のポイント:
- 連絡先情報の確認: DMで連絡を取りたい相手がフォローされているか、またはフォロワーであるかを確認します。
- プライバシー設定: ストーリーズや投稿の公開範囲を把握しておきましょう。
災害伝言板「Web171」の利用方法とSNSとの連携
電話会社が提供する災害伝言板「Web171」は、電話回線が混雑している状況でも安否情報を登録・確認できる重要な手段です。
- Web171の概要:
- NTT東日本・NTT西日本が提供するサービスで、災害発生時にインターネット経由で安否情報を登録・閲覧できます。
- 登録は電話番号単位で行われ、その電話番号を持つ人の安否を確認できます。
- 利用手順(登録):
- Webブラウザで「Web171」にアクセスします。(災害時のみ利用可能になる場合があります)
- 「伝言登録」を選択し、自身の電話番号を入力します。
- 安否情報(例: 「無事です」「避難所にいます」など)をテキストで入力します。
- 登録を完了します。
- 利用手順(確認):
- Webブラウザで「Web171」にアクセスします。
- 「伝言確認」を選択し、安否を確認したい人の電話番号を入力します。
- 登録されている伝言が表示されます。
- SNSとの連携:
- Web171に安否情報を登録したことをSNSで発信すると、より多くの人に情報が届く可能性があります。「Web171に安否情報を登録しました。電話番号〇〇です」といった形で共有し、SNSでつながっていない親戚などにも情報が届くよう促せます。
- Web171は電話番号ベースであるため、携帯電話番号を共有している家族間での確認に特に有効です。
補足情報・活用術:いざという時に役立つヒント
1. スマートフォンのバッテリー節約術
- 低電力モードの活用: スマートフォンに搭載されている「低電力モード」や「省電力モード」をオンにすることで、バッテリー消費を抑えられます。
- 不要な機能のオフ: Wi-Fi、Bluetooth、GPS(位置情報サービス)など、使用していない機能はオフにしましょう。
- 画面の輝度を下げる: 画面の明るさを最低限に抑えることも効果的です。
2. 公衆Wi-Fiの利用
- 大規模災害時には、通信事業者や自治体によって無料の公衆Wi-Fiが開放されることがあります。「00000Japan(ファイブゼロジャパン)」は、緊急時に無料で利用できる統一SSIDです。
- 普段からSSIDの確認方法を把握しておきましょう。
3. 信頼できる情報源の確保
- デマに惑わされないよう、政府機関、自治体、報道機関など、信頼できる公式アカウントから発信される情報のみを確認するよう心がけましょう。
まとめ:今日から始める「つながる」ための備え
災害はいつ発生するか予測できません。しかし、事前に準備をしておくことで、災害時の混乱を最小限に抑え、大切な人とのつながりを守ることができます。
この記事で解説した主要SNSの安否確認機能の事前設定、Web171の利用方法、そしてバッテリー節約術などの補足情報は、全て今日から実践できることばかりです。
ぜひ、この機会に家族で安否確認のルールを確認し、スマートフォンの設定を見直し、災害に備える第一歩を踏み出してください。備えあれば憂いなし。あなたの「つながる」備えが、いざという時の安心につながります。